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5-B. ローヌ南部のAOCワイン

Les vins de la Vallée du Rhône
コートデュローヌ地図フランス コートデュローヌの赤

フランス南東部、リヨン南のヴィエンヌからアヴィニョン南部までの、ローヌ川両岸に連なる南北200kmにおよぶ産地。そのうち、ローヌ南部はモンテリマールからアヴィニョン(デュランス川以北)までの約80kmの地域。地中海性気候で砂岩土壌。AOCは14(北部は大陸性気候で花崗岩土壌、AOCは11)。赤、白、ロゼに加えて、ローヌ南部では酒精強化酒と、多様なスタイルのワインが作られている。


▼もくじ
ローヌ南部の概略ローヌ南部の主要ブドウ品種ローヌ南部ワインの性格ローヌ南部A.O.C.ごとの特徴ローヌ南部のヴィンテージ(収穫年)ごとの評価

参考リンクオススメ図書


 基本編「プロヴァンス・アルプス・コートダジュール地域圏のワインについて
 基本編「プロヴァンスのAOCワイン
 番外編「ワインについて
 番外編「フランスワインについて
 ブログ「南仏ワインばか

 

コート・デュ・ローヌ(ローヌ渓谷)南部の概略

コート・デュ・ローヌ(Côtes-du-Rhône)はブルゴーニュ地方の南に位置し、ローヌ河両岸を中心に南北約200kmにおよぶ。ボルドー地方に次いで広大なワイン産地。さらに北部と南部に分かれ、生産量もワインのタイプも品種もはっきり分かれる。
14世紀の「アヴィニョン幽囚」以来、歴代のローマ法王たちは自分のぶどう畑をローヌ南部に持ち、ここで造ったワインを楽しんだという輝かしい歴史を持つ。
今日においても上質なワインを産し世界最高の食卓にも添えられるなど、ローヌはフランス2大産地(ボルドー、ブルゴーニュ)に次いで、国際的な名声を得ている。
ガリーグと呼ばれる石灰質の乾いた土地は、オリーブやラヴェンダーなどと同じ生育条件で、オリーブ、トリュフ、ヤギのチーズ、ジビエなど地元の食材との相性がばっちり。
AOC数は26、VDQSは1。約12,000人の生産者。生産量の92%が赤。

栽培面積/年間生産量(比率)

7.7万ha/35.1万kl(赤92% ロゼ2% 白6%)

AOC
生産量
タイプ
品種
ローヌ南部 Méridional 14 多い 日常 ブレンド
ローヌ北部 Septentrionale 11 少ない 高級 単一

地理

ローヌ、ロワール、アルデッシュ、ドローム、ヴォークリューズ、ガールの6県163コミューン。リヨン南のヴィエンヌからアヴィニョン南部までのローヌ河に沿って南北200Kmに長く、南北2つの地区に分かれる。北部:ヴィエンヌからヴァランスまで約120km、南部:モンテリマールからアヴィニョンまで約80km

ローヌ南部の地図

コートデュローヌ地図

歴史

ローマ人の征服路に沿って発展したこの地域のブドウ畑は、ローマで評判があまりに高くなりすぎ、ドミティウアヌス帝がガリアを含む植民地のブドウ根絶命令を出したほど。ゲルマン民族の大移動でブドウが危機にさらされるもフランク族はあまり興味を示さなかった。中世においては修道院の庇護と、14世紀にアヴィニョンへ法王庁移座とともに繁栄。17世紀に「コート・デュ・ローヌ」の名称が生まれ、1937年にコート・デュ・ローヌ(Côtes-du-Rhône)がAOC認定。

気候

北部はほどよい大陸性気候。夏は暑く日差しがあるが、南部に比べて、秋は涼しく冬は厳しい。
南部は地中海性気候。夏は気温が上昇して乾燥し、冬は穏やかで日差しがあり、ローヌ渓谷にアルプスからの強烈な吹き下ろしミストラルが吹き付ける。
年間を通して、ブドウ栽培に良好な条件である(風はブドウの病気を予防する役割を果たす)。

土壌

北部は花崗岩質で、斜面には砂利が広がる(砂利はブドウ木に有益)
南部は砂利で粘土を含む石灰質の平地

AOC

コート・デュ・ローヌのAOCは25あり、そのうち、南部は14。

VDN
コート・デュ・ヴィヴァレ Côte du Vivarais 赤ワイン 白ワイン ロゼワイン
コトー・デュ・トリカスタン Coteaux du Tricastin 赤ワイン 白ワイン ロゼワイン
コート・デュ・ローヌ・ヴィラージュ Côte du Rhône Villages 赤ワイン 白ワイン ロゼワイン
コトー・デュ・トリカスタン
/コート・デュ・ローヌ・ヴィラージュ
Coteaux du Tricastin
/Côte du Rhône Villages
 
ヴィンソーブル Vinsobres  
ラストー Rasteau VDN
ヴァケイラス Vacqueyras 赤ワイン
ジゴンダス Gigondas 赤ワイン ロゼワイン
ミュスカ・ド・ボーム・ド・ヴニーズ
/ボーム・ド・ヴニーズ
Muscat de Beaumes-de-Venise
/Beaumes-de-Venise
赤ワイン VDN
タヴェル Tavel ロゼワイン
リラック Lirac 赤ワイン 白ワイン ロゼワイン
シャトーヌフ・デュ・パプ Châteauneuf-du-Pape 赤ワイン 白ワイン
コート・デュ・ヴァントゥ Côte du Ventoux 赤ワイン 白ワイン ロゼワイン
コート・デュ・リュベロン Côte du Luberon 赤ワイン 白ワイン ロゼワイン

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ローヌ南部の主要ブドウ品種

コートデュローヌで認められているのは23品種。

黒ブドウ

特徴
グルナッシュ
Grenache

乾燥した暖かい気候に向き、プロヴァンスの代表品種。アルコール分豊かで芳醇
色は淡いがアルコール分の強い、フルーティーなワイン。つまり申し分ないロゼや天然甘口ワインようの効率良い品種。通常シラーなどとブレンドする。特にフランス南部、スペイン、カリフォルニアで栽培。ただし、筋骨たくましいプリオラトの主体となるのもこれ。また、サウス・オーストラリア州の古木からできるワインが高く評価されている。
→リラック、タヴェル、シャトーヌフ、ジゴンダス、ヴァケイラス、コート・デュ・ローヌ・ヴィラージュ

シラー
Syrah

涼しい風の吹くローヌ渓谷の代表品種。骨太でスパイシー。偉大な赤ワインに不可欠
ローヌ河流域の卓抜した赤ワイン用品種。胡椒の香りのする、タンニンの多い紫がかった深紅色のワインを生む。素晴らしい熟成能力をもつ。オーストラリアでは「シラーズ」と呼び、極めて重要。カリフォルニアやワシントン州、南アフリカ、チリ他ではいずれかの名で呼ぶ。
→コート・デュ・ローヌ・ヴィラージュ

カベルネ・ソーヴィニョン
Cabernet Sauvignon

卓抜した特性をもつ品種。ボルドー地方の偉大なワインに欠かせない。スパイシーで、香草の香り、カシスを思わせる特有のアロマをもち、タンニンが多い。ボルドー地方メドック区域の最上位の品種。また、カリフォルニア、南アメリカ、東ヨーロッパの最良の赤ワインのほとんどを生む。オーストラリアではシラーズのライバル。これから作るワインは必ずと言って良いほど熟成させる必要があり、普通はメルロやカベルネ・フラン、シラー、テンプラニーリョ、サンジョベーゼなどとブレンドした方が良くなる。アロマにとむロゼもできる。

ムールヴェードル
Mourvèdre

コクがあり、濃い色調でタンニン豊か 
タンニンが多くアロマに富む、色の濃い優良な品種。主にブレンド用に、プロヴァンス地方(ただしバンドルでは単独で用いる)やミディ地域で用いる。例えば、サウスオーストラリア州やカリフォルニアでも新たな関心を呼んでいる。
→コート・デュ・ローヌ・ヴィラージュ

カリニャン
Carignan

フランスでは減少している。古木から収穫量を押さえて作る必要がある。コルビエールのものが最良。他では無害だがさえないワインとなる。北アフリカ、スペイン、カリフォルニアで広く栽培。
→コート・デュ・ローヌ・ヴィラージュ

サンソー
Cinsault
フルーティーな赤とロゼに欠かせない。色彩鮮やかで口当たりがよい
フランス南部で広く栽培している。大量生産型のワインを生む品種。南アフリカではピノ・ノワールとの交配によって、ピノ・タージュが生み出された。ワインは色が薄いが、潜在的に質の高いもの。
テレ・ノワール
Terret Noir
シャートーヌフ・デュ・パープで使われる13品種の1つ。

白ブドウ

特徴
ルーサンヌ
Roussane

繊細なアロマ。ふくよかなワイン
ローヌ河流域の卓抜した上品な品種。カリフォルニアとオーストラリアで目下急浮上中。うまく熟成しうる
→シャトーヌフ、コート・デュ・ローヌ・ヴィラージュ

マルサンヌ
Marsanne
まろやかな風味と田園の花々の繊細なアロマ 
グルナッシュ・ブラン
Grenache blanc
アニス、ウイキョウ、ミントのさわやかなアロマ。繊細で活き活きした風味 
→ヴァケイラス、コート・デュ・ローヌ・ヴィラージュ
クレレット
Clairette

地中海地方の最古種。酸味が強く、ハチミツと花の洗練された芳香
酸味の少ない品種。フランス南部で多くのワインのブレンドに用いられる。ミディの伝統ある白ブドウ品種。これから造る酸味の少ないワインは、ヴェルモットのベースとして使われてきた
→リラック、ヴァケイラス、コート・デュ・ローヌ・ヴィラージュ

ブールブラン
Bourboulenc

芳香が強く、さわやかで活き活きしたワイン。若飲みタイプ
これとロール種は、フランスのミディ地域で最良のワインの幾つかを生む。
→シャトーヌフ、コート・デュ・ローヌ・ヴィラージュ

ピクプール
Picpoul ou piquepoul
シャトーヌフデュパプの補助品種。黒も白もある
ピカルダン
Picardan
シャトーヌフデュパプの補助品種。土着品種
ミュスカ
Muscat

容易にそれと分かる刺激的な香りのするブドウで、ほとんどは芳香に富む甘口ワインに仕立て、酒精強化することが多い(フランスのVDNなど)。広範に栽培している。小粒の実をつける白いミュスカ(Muscat blanc à petits grains)が最良。オーストラリアでとびきり上等なものになる。トカイ・アスーの第三構成要素でもある。稀に辛口に仕立てる(例えばアルザス)。

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コート・デュ・ローヌ南部ワインの性格

非常にバラエティーに富んでいて、色調は濃くコシがある。全般的にまろやかで口当たりがよく、若飲みでも熟成させてもよい。シャトーヌフ・デュ・パプ(Châteauneuf-du-Pape)が、メーカーによって質に違いがあることがあるとはいえ、最も名高い。ジゴンダスも良い評判があり、よく熟した赤ブドウのアロマが濃厚なワイン。タンニンによる沈殿物(オリ)が多いが、力強いワインで、鳥のワイン煮など小さいジビエや肉によく合う。
適温:15〜18度

あまり白ワインを生産していないが、辛口でしっかりした味わい。コート・デュ・リュベロン(Côtes du Luberon)において白ワインが作られている。ぶどう種をブレンドしているため、北部に比べて軽くシンプルな仕上がりになっており、焼き魚やスープ・ド・ポワッソンやブイヤベースと相性が良い。
適温:9〜11度

ロゼ

主に南部で生産されていて、サーモンピンクに近い色で、フルーティーでボリューム感がある。リラック(Lirac)とタヴェル(Tavel)の2アペラシオンがロゼの生産量が多い(なおタヴェルはロゼのみの生産)。フォローラルなブーケで心地よい。豚肉や鶏肉ととても相性が良い。
適温:6〜8度 飲む適温:7〜10度

・天然甘口ワイン

ヴァン・ドゥー・ナチュレル (Vin Doux Naturel)。ワインを原料とするアルコールで酒精強化した甘口ワイン(フォーティファイド・ワイン)。頭文字をとって「VDN」とも言う。あくまでも、甘さが「天然」なのであって、アルコール分の強さはヒトの手が加えられたもの。赤はグルナッシュ、白はミュスカがベース。フランスでは酒場の定番。ローヌ南部では、(Muscat de Beaumes-de-Venise、写真)と ラスト−(Rasteau )で生産。

ミュスカ・ドゥ・ボーム・ドゥ・ヴニーズは良質で知られ、原料の白マスカット種はよく熟したブドウと漬けたオレンジの香りのバランスがよく取れ、強いフレーバーをもち、繊細で長く香味が口に残るものとなりうる(例えば、シャトー・サン・ソヴール、ドメーヌ・ドゥ・デュルバン、ドメーヌ・ドゥ・コワイユ−、ジャブレ、ドメーヌ・ドゥ・ラ・ピシャド、ヴィダル・フルリ)。現地では、アペリティフやデザートワインとして親しまれている。433ha

ラストーは、グルナッシュ種の天然甘口ワインの赤と白を生産しており、ポルトワインに近いが、さらに繊細さを持つ。現在は衰退しつつある。57ha

ミュスカ・ド・ボーム・ド・ヴニーズ ミュスカ・ド・ボーム・ド・ヴニーズ
<M.Chapoutier>
 

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コート・デュ・ローヌ南部のA.O.C.ごとの特徴

コート・デュ・ローヌ Côtes-du-Rhône    ★

98',99,00',01',03
【ローヌの基本的なAOC】
1937年AOC。ヴィエンヌからアヴィニヨンまでのローヌ渓谷一帯(6県163コミューンにまたがる大生産地)。仏AOCの中でも歴史が古く、面積・生産量はトップクラス(この地方の58%)。AOC赤ワインではフランス第一の生産量。若いうちに飲むのが一番。新酒primeurも美味しく飲める。質のばらつきが大きいため、葡萄園元詰めのモノがいい。栽培面積42,000ha、年間生産量200万hl(うち赤96%、白ロゼ各2%)

ブドウ品種:
赤ロゼ・主要品種:グルナッシュ、シラー、ムールヴェードル
赤ロゼ・補助品種:カリニャン、サンソー、クノワーズCounoise、ミュスカルダンMuscardin、カマレーズCamarèse、ヴァカレーズVaccarèse、ピクプール、テレ・ノワール、グルナッシュ、クレレット・ローズ
白・主要品種:グルナッシュ・ブラン、クレレット、マルサンヌ、ルーサンヌ、ブールブラン、ヴィオニエViognier
白・補助品種:ユニ・ブランUgni Blanc、ピクプール

<Burle>
 

コート・デュ・ローヌ・ヴィラージュ Côtes du Rhône Village   ★★

89',90',95',96',97',98',99',00',01',03
【コート・デュ・ローヌの格上ラベル】
1966年AOC。特に申し分のないローヌ南部16の村は名前をラベルに記すことができる(Côtes du Rhône+コミューン名)。AOC昇格間近の村も。がっしりして、たいていは信頼がおける。時に極めて見事なものも。栽培面積5000ha

ブドウ品種:
赤:グルナッシュがベースだが、現在はシラーやムールヴェードルの割合が増えている。
白:しばしばヴィオニエ、ルーサンヌも使い、品質が向上している
(Beaumes-de-Venise,Cairanne,Chusclam,Laudun,Rasteau,Sablet,Saint-Gervais,Seguret)。

村名を記さない下位のワインでお値打ちなのは、シャト−・シニャック、カボット、グラン・ヴヌ−ル、モンバイヨン、ラバス・シャラヴァン、ランジャルド、ロマラン、サン・タ−ヌ、ドゥ・サン・シフランなどのドメーヌ、カーヴ・エステザルグのもの。

ヴォークリューズ県:
Beaumes-de-Venise
,Rasteau,Cairanne, Roaix, Sablet, Seguret, Valreas ,Visan,Massif d'Uchaux,Plan de Dieu
ガール県:
Chusclan,Laudun,Saint-Gervais,Signargues
ヴォークリューズ、ドローム県:
Puymeras
ドローム県:
Rochegude, Rousset-Les-Vignes, St-Maurice-sur-Eygues, St-Pantaleon-les-Vignes, Vinsobres

Rasteau
Rasteau
<Rasteau>

シャトー・ヌフ・デュ・パープ  Châteauneuf-du-Pape   ★★★

78',80,81',83,85,86,94,88,89',90',96,95',98',99',00',01,03
【ローヌ南部の最高峰】
ローマ教皇のために造られたワインに由来する、熟成の高級・赤。AOC呼称の発祥の地(1936年)。オランジュ〜アヴィニョン間。中核となる30ほどの葡萄園のワインは極めて上質(残り90ほどのものは質にばらつきがある)。グルナッシュ、シラー、ムールヴェードルを筆頭に、最高13もの品種を合わせて造る最良のワインは色が濃く、アルコール分が強く、格別に寿命も長い。白はフルーティーで爽やかで小気味の良いものか、もしくはかなり重いもので、 現在は多くが若飲み。栽培面積3,200ha、年間生産量10,000hl

上位の栽培業者には、ドゥ・ボカステル、フォルティヤ、ドゥ・ラ・ガルディ−ヌ、モン・ルドン、ラ・ネルト、ライヤス、の各シャトー、ドゥ・ボナ−ル、ボスケ・デ・パプ、レ・カイユ−、フォン・ドゥ・ミシェル、デュ・ペゴ−、デュ・ヴィユ・テレグラフ、ヴィエイユ・ジュリエヌ、ドゥ・ヴィルヌ−ヴの各ドメーヌ、アンリ・ボノー、クロ・デュ・モン・オリヴィエ、クロ・デ・パプ、クロ・サン・ジャン、ジャン・ヴェルジノ、ル・ヴィユ・ドンジョン。

ブドウ品種:
グルナッシュ、シラー、ムールヴェドル、サンソー、テレ・ノワール、ミュスカルダンmuscardin、クノワーズcounoise、ヴァッカレーズvaccarèse、クレレット、ブールブーラン、ルーサンヌ、ピクプール、ピカルダン

ジゴンダス Gigondas   ★★★

81',85,88,94,97,78',89',90',95',96,99',98',00',01',03
【ボルドーやブルゴーニュに匹敵する高級フルボディ赤】
モンミライユ山脈南西部カルパントラ北部近郊。シャトーヌフに隣り合うにふさわしい、アルコール分が強くコクがあり、時には胡椒の香りのするワイン。グルナッシュ種が主体。栽培面積1,040ha、年間生産量39,000hl

例えば、ドゥ・モンミライユ、ルドルティエ、ドゥ・サンコ−ム、デュ・トリニョンの各シャトー、クロ・デュ・ジョンキュアス、ブシエ−ル、デュ・ケロン、ドゥ・フォン・サ−ヌ、レ・グベ−ル、デュ・グ−ル・ドゥ・ショレ、デュ・グラピヨン・ド−ル、デュ・ペスキエ、レ・パリエ−ル、ドゥ・ピオジエ、ラスパイユ・アイ、サンタ・デュック、サン・ガイヤン、デ・トラベールの各ドメーヌ、レ・オ・ドゥ・モンミライユのもの。

ブドウ品種 
赤:グルナッシュ(80%以内)

Gigondas
Gigondas

 

ヴァケイラス Vacqueyras   ★★

89',90',94,95',96',97,98',99',00',01',03
【野性味たっぷりの辛口の赤】
1990年、コート・デュ・ローヌ・ヴィラージュから単独AOC昇格。
ジゴンダスの南に隣接。グルナッシュ種をベースにした、胡椒の香りのするコクのあるワイン。お隣よりも構成において優れ、安いことが多い。

ジャブレ、あるいはドゥ・モンミライユ、デ・トゥールの両シャトー、アルシャンボ・ヴァシュ、デ・ザムリエ、ドゥ・ラ・シャルボニエ−ル、ル・クルリュ、ラ・フルモヌ、ラ・ガリッグ、デュ・グラピヨン・ド−ル、ドゥ・モンヴァック、ル・サン・デ・カイユの各ドメーヌ、クロ・ヂュ・ジョンキュアス、モンティリユス、パスカル・フレールのもの。栽培面積800ha、年間生産量35,000hl

ブドウ品種 
赤:グルナッシュ、グルナッシュ・ブラン、クレレット他

Vaqueyras
ヴァケイラス2009
<Domaine des Amouriers>

タヴェル Tavel   ★★

【フランス最古のロゼ】
若飲み。アヴィニョンの西・ローヌ右岸。フランスで最も有名な辛口ロゼ。アルコール分の強い辛口で非常にコクがある。栽培面積950ha、年間生産量54,000hl

最良の栽培業者には、シャト−・ダケリア、ドメーヌ・ドゥ・コルヌ・ルー、ギガル、マビ、ドメーヌ・ドゥ・ラ・モルドレ、ピリユレ.ドゥ・モンテザルグ、ラフォン、シャトー・ドゥ・トランクヴデル。

ブドウ品種 
ロゼ:グルナッシュ、シラー、ピクプール他

<Trois Logis>

リラック Lirac   ★★

90',95',96,99',00',98',01',03  
【フルーティーでまろやかな赤】
1992年AOC、アヴィニョンの北西・ローヌ右岸。 タヴェルの隣。赤(少なくとも5年の熟成に耐える)は親しみやすく、お値打ち。多くの場合やわらかいが、ムールヴェードル種の割合が増えるにつれて、ひきしまってきた。赤がロゼを追い抜きつつある。栽培面積420ha、年間生産量20,000hl

特にデュ・ジョンシエ、ラフォン・ロック・エピヌ、マビ、ドゥ・ラ・モルドレ、サボンの各ドメーヌ、ダケリヤ、ドゥ・ブシャシ、カントグリル、ル・ドゥヴォワ・マルティヌ、ドゥ・セグリエスの各シャトー、アンドレ・メジャンのもの。

ブドウ品種 
赤:グルナッシュ、シラー、サンソー 
白:クレレット他

<Clos Sixte>

コート・デュ・ヴァントゥ Côtes du Ventoux   ★★

95',98',99',00',01',03
【ポピュラーな辛口の赤】
ローヌ河流域とプロヴァンスの間にあるヴァントゥ山周辺の、急発展中のAOC。風味の良い赤(カフェ向きのスタイルのモノから、ずっと深みのあるフレーバーをもつものまで)と気軽なロゼ。なかなかの白。栽培面積7,680ha

シャト−・ボカステルのペランが所有するラ・ヴィエイユ・フェルム(赤)が最良の産出業者。ブドゥワン、グルト、サン・ディディエの共同醸造所、デ・ザンジュ、ブリュッセ、カスヴェル、ドゥ・フォンドレシュ、ドゥ・フォン・サ−ヌ、ミュルミュリウム、ドゥ・ラ・ピシャド、ドゥ・ラ・ヴェリエ−ルなどのドメーヌ、ラ・クロワ・デ・パン、ペスキエ、ヴァルコンブのシャトー、ポール・ジャブレも。

ブドウ品種
赤:グルナッシュ、シラー 
白:ピクプール、クレレット他
コートデュヴァントゥ赤
コートデュヴァントゥ赤
<Mas de Fondreche>
コートデュヴァントゥ白


コート・デュ・リュベロン Côtes du Luberon   ★★

97,98',99',00',01',03
【辛口の赤】
デュランス川北部流域で産する地酒。劇的に向上した。俳優やマスメディアの世界を牛耳る大立者を含む新規の産出業者が急増中。栽培面積3,730ha

花形はシャト−・ラ・カノルグ。他にヴァル・ジョアニス、ラ・ヴェルリ、ドゥ・リゾレットの各シャトー、ドメーヌ・ドゥ・ラ・シタデル、ヴェルジェ、ラ・ヴィエイユ・フェルム(白)、信頼のおける共同醸造所のセリエ・ドゥ・マルノン、カ−ヴ・ドゥ・ボニューなど。

ブドウ品種 
赤:グルナッシュ、シラー 
白:ピクプール、クレレット他

コトー・デュ・トリカスタン Coteaux du Tricastin   ★★

95',98',99',00',01',03
【軽めの赤】
ローヌ南部の最北(モンテリマーの南)のAOC。品質は向上中。刺激的な芳香のある魅力的な赤は8年の熟成に耐える。ドゥ・グランジュヌ−ヴ、ドゥ・モンティ−ヌ、サン・リュックの各ドメーヌ、シャト−・ラ・デセルなどが最良。栽培面積2,630ha

ブドウ品種 
赤:グルナッシュ、サンソー、シラー 
白:グルナッシュ・ブラン、クレレット他

ボーム・ド・ヴニーズ  Beaumes-de-Venise   ★★★

【VDNだけじゃない】
若飲み(3〜5年)。VDN、赤(ロゼ、白はコート・デュ・ローヌ扱い)。ジゴンダスに隣接(モンミライユ山麓にあって日当たり良好)。酒精強化酒(VDN)のミュスカで有名だが、ミドル級の赤も最良。 ワイン煮などの肉料理や個性的なチーズと好相性。

シャトー・ルドルティエやドゥ・フヌイエとドゥ・デュルバンの両ドメーヌ、共同醸造所のもの。

ブドウ品種:
赤:グルナッシュ(50%以上)、シラー(25%以上)、サンソー、ムールヴェードル

<La Chapelle>

コトー・デュ・ヴィヴァレ Côtes du Vivarais   

98',99',00',01',03
【若飲みだがエレガント】
1999年AOC昇格。ローヌ南部の北端モンテリマールの西に位置する村々にまたがっている(アルデッシュ県・ガール県)。標準的なワインも向上しているし、オーク樽で熟成させた赤は、よりがっしりしている。ブ−ル、ガルティ、ドメーヌ・デュ・ベルヴゼが最良。栽培面積550ha

ブドウ品種 
赤:シラー、グルナッシュ、サンソー、カリニャン 
白:クレレット、マルサンヌ他

<Domaine Gallety>

ヴァンソーブル Vinsobres

【新しいAOC】
1937年にコートデュローヌとして、1957年に村名コートデュローヌ、1966年にコートデュローヌ・ヴィラージュ(上級コートデュローヌ)を経て、2006年に単独AOC昇格した、ドローム県の特級コートデュローヌともいうべき赤ワイン。栽培面積419ha。


ポルト・ドゥ・メディテラネ Portes de Méditerranée

【新しいVdP】
ローヌ南部とプロヴァンス地域全体を含む、新しいヴァン・ド・ペイ(Vin de Pays)。気軽に飲める赤と興味をそそる白。ヴィオニエを使ったものもある。




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ローヌ南部のヴィンテージ(収穫年)毎の評価

※ヒュー・ジョンソン著「ポケット・ワイン・ブック[第6版]」による

2003
最良の業者のものは、ずんぐりして力強く、温かみを感じさせる典型的なワインになった。ブドウの成熟にズレがあったため、バランスに欠けるものもある。最良の地区の最良の銘柄を選んでみたい。
2002
自然からのしっぺ返し。シャトーヌフ・デュ・パープの周囲は洪水に見舞われた。ごく普通のフルーティーな赤(早く飲むのに向く)と、まずまずの白。この年の超特急銘柄は作られなかった。
2001
ひとつの手本とも言うべき、素晴らしい出来の年。オーク樽ではなく、ブドウのタンニンが勝っている。様々な要素が旨く組み合わさった赤は、この先長い寿命を持つ。
2000
風味の良いワイン。果物の風味が勝ち、みずみずしく、肥えたカンジがある。さほど長期熟成型の収穫年ではない。一流の業者のものを選んでみたい。僅差ながら、ジゴンダスの質がシャトーヌフを越えたかもしれない。
1999
おしなべて優良。最良のワインは、よく熟した果物の風味が素直に出て、然るべき構成も備えている。
1998
優良。温かみを感じさせるワインは、今や、煮たような果物の風味やミネラルを感じる乙な時期に入った。
1997
煮た果実の風味を持つものもある。最上位の業者のもの、収穫を押さえたものを除いては、2007年までに飲みたい。
1996
むらのある出来。タンニンが無骨さを感じさせる。最良のワインは10年以上の熟成に耐えるだろう。
1995
優良。深みのあるフレーバーを持つワイン。急速に熟成が進んでいる。最良のワインは、2012〜2017まで寿命を保つだろう。
1994 十分なエキス分を持ち、タンニンも際立つ。今は2回目のミネラルを感じる時期。

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LINK 参考リンク

 

フランス政府観光局テーマ別の旅ワイン街道プロヴァンス地方
ワイン大国フランスの、ワインの里巡り。ワイン祭りの情報もあり!

sopexa japonフランスワイン産地マップ
フランス食品振興会による、フランスワインやチーズの紹介
ワインスパイラルフランス各地のワインプロヴァンス地方のワイン
ブドウ伝来の地だけあって、いろんな銘柄があるわけです。
  Vignobles de la Vallée du Rhône
ローヌ渓谷ワイン委員会 

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BOOKオススメ図書

プロヴァンス・アルプス・コートダジュール地域圏には、ローヌ川沿岸の「コート・デュ・ローヌ地方南部Côtes du Rhône」と、地中海沿岸の「プロヴァンス地方Provence」の2つの産地がまたがっており、以下の図書では、ワイン的見地からプロヴァンスを知ることができる。

ポケット・ワイン・ブック 第6版
ヒュー・ジョンソン著 早川書房

アカデミー・デュ・ヴァン推薦の必携本。
世界中のあらゆるワインがアルファベット順に解説されているワインの辞書。飲み頃ヴィンテージも産地別にあって重宝する。ポケットサイズだから持ち運びに便利。国内海外を問わず、飲む時、買う時いつでもお供に。2005年出版の最新版。英語版もあり


図説 フランスワイン紀行―知られざる名産地を訪ねて
宇田川 悟 (著), 山本 博
河出書房新社 ふくろうの本

ワイン王国フランスの産地を巡る、いわばワイン的見地の観光情報。二大産地のボルドーとブルゴーニュ以外のマイナーエリアにも平等にページを割いて、多彩なAOCと見所や歴史を説明している。地方に行けばその土地のワインが郷土料理にも気候にも合うから一番美味しいわけで、ワインファンがフランス旅行を計画する時に参考になる。
プロヴァンスにまたがる2つの産地、コート・デュ・ローヌは「南北の対照的な風土が生み出す多彩な味と香り」、プロヴァンスは「フランスワインの起源となった歴史ある栽培地」として紹介されている。


フランスワイン愉しいライバル物語
フランスワイン愉しいライバル物語
山本 博 文藝春秋

ボルドーVSブルゴーニュ、ロマネコンティVSシャトー・ラフィット──評価と人気を二分してきたフランスワインのライバル五百年史。「王様と女王様―ボルドーとブルゴーニュ」「世界最高の赤ワイン―ロマネ・コンティとシャトー・ラフィット」「シャトーのロスチャイルド―ラフィットとムートン」「甘い中のドライな合戦―ソーテルヌとバルサック」「黄金の泡と修道僧―ドン・ペリニョンとライバルたち」「ナポレオンとシトー派修道院―シャンベルタンとクロ・ド・ヴジョー」など、フランスワインの奥深さを教えてくれる手引書。ローヌ南部からは「法王の新邸と妙義山―シャトーヌフ・デュ・パプとジゴンダス」が選ばれている。フランスにはAOCワインだけでも400種類あり暗記しようとなると途方に暮れるけど、著者のポイントをおさえた文章と鼻につかない程度の体験談にグッと興味がそそられる。巻末には地図も載っているのが親切。一章読むごとに、実物を飲みくらべたくなる。


ワインが語るフランスの歴史
ワインが語るフランスの歴史
山本 博 白水社

ワインは自然と人知の合作物。ワイン王国フランスの歴史には、新世界にはないロマンがつまっている。本書はフランスの歴史にからめて、フランスの12の産地を巡り、主要ワインについて36章を割いて解説。石器時代から現代まで続く歴史を知れば、フランスワインがよりいっそう美味しく楽しく味わえる。
ワイン産地としてのプロヴァンスについては、「ギリシア植民市の誕生 ワイン文化発祥の地マルセイユ」、「聖ジャックの道、銀河 巡礼の道のワイン」、「アヴィニョンの幽囚 教皇の赤ワイン」に加え、「エニシダの復讐 ロワールの城とワイン」でロゼダンジューとタヴェルの比較、「フランスを襲ったブドウのペスト フィロキセラ以前と以降のワイン」でフィロキセラ発見の地としてアルルが紹介されており、ワインとの深いかかわりがわかり、プロヴァンスの旅にもう一つの楽しみが加わる。


今日はこのワイン!24のブドウ品種を愉しむ
ワインが語るフランスの歴史
野田 幹子 生活新書

ワインは原料となるブドウ品種によって個性が違い、それが楽しいのだが、初心者的にはハードル高く感じてしまう。そこで本書では、カベルネ・ソーヴィニョンやシャルドネなど代表的なブドウ24種を、産地ごとに色・香り・味わい・相性料理などの特徴を説明。これさえ押さえておけば十分にワインが楽しめるようになっている。
なお、プロヴァンスおよびコートダジュールは、ワインの産地ではローヌ南部とプロヴァンスに相当するのだが、その代表品種として、赤はシラー(オーストラリアでも成功)とグルナッシュ(毎日気軽に楽しみたい)、白はミュスカ(心華やぐ愛らしさ)とマルサンヌ(北ローヌで真価を発揮)と紹介されている。


知っておきたい「酒」の世界史
宮崎 正勝 (著) 角川ソフィア文庫

酒の歴史は人間の歴史。ウォッカ、テキーラ、日本の焼酎など、世界中の全ての蒸留酒は、9世紀にイスラームで錬金術のために発明された「アランビク」からはじまった。メソポタミアからヨーロッパにもたらされた「液体のパン」ビール、ペストの恐怖が育てたウィスキーとブランデー、飲料水代わりだった大航海時代のワイン、冬の寒さが産んだ奇跡の酒シャンパンなど、世界をめぐる多様なお酒の意外な来歴と文化がわかる、おもしろ世界史。バーでのウンチクが増えます。幻の酒アブサンと南仏の酒パスティスの関係も。


もっとワインが好きになる―必携Wine好きノート
花崎 一夫 (著) 小学館

サントリースクール主任講師による、ワインに関する実践知識が満載。
ぶどう品種・栽培条件、製造法、飲み方のポイント、世界の産地(フランス、ドイツ、イタリア、スペイン、アメリカ、オーストラリア、チリなど)と特徴(地域、地形、土壌、気候、ぶどう品種、歴史、主な銘柄・特色)、格付け・ラベルの読み方、おすすめワイン100選など、 この一冊でワインが10倍美味しく楽しめる。


太陽の香り―南フランス・ワイン紀行
渋谷 康弘 ベストセラーズ
現役ソムリエが、プロヴァンスを食べ&飲み歩き。
ワイン産地を念頭においているため、サブタイトルが南フランスとなっているが、まさしく丸々プロヴァンス。
前半はアヴィニョンを拠点に、後半はエクスを拠点に、ブドウ畑・ワイナリーやレストランや食材の産地を巡る。さすがソムリエだけあって、レストランのシェフと知り合いで、観光では知り得ない現地の楽しみ方が詰っている。また、ワインの造り手やレストランのシェフとの会話の中で、プロヴァンスの人々の食に対する哲学が分かって面白い。
太陽の恵み。これこそがプロヴァンスの「テロワール」なんだろう。プロヴァンスの滋味を知りたい人は必読。

ヨーロッパものしり紀行 くらしとグルメ編
紅山 雪夫 新潮社
元旅行代理店のベテラン添乗員が、ヨーロッパのあれこれウンチクを案内する「読む観光本」。より踏み込んだ知識をもてば、他人任せのツアーより、断然ヨーロッパ旅行がイキイキしてくる。
シリーズ第二弾。チーズやワインやレストランなどの食事から城塞や家やローマ遺跡の建築まで、ヨーロッパ旅行で出会う現地の生活文化を幅広く紹介。
プロヴァンス関連としては、ニームのローマ水道橋の建築の秘密、カマルグに住むジプシー(ロマ人)の知られざる生活、香水の都グラースの花精油の製造法などがわかりやすい文章で説明されている。


まだまだオススメ本あります→プロヴァンスに関する本

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