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5-C.
プロヴァンス(地中海沿岸部)のワイン
Les vins de la Provence
ワイン産地としてのプロヴァンスは、ローヌ河より東の地中海沿岸部(ローヌ河下流のアルルからイタリア国境に近いニースまで)のフランス南東部の横350km・たて100km,に広がり、デュランス川以南のローヌ河デルタ地帯からコート・ダジュール全域にほぼ重なる。AOCは9つ(コルスは8つ)。
コルシカ島をひとくくりにして説明されることが多い。プロヴァンスもコルスもいずれも地中海性気候で、ワイン作りの歴史が古く、土着品種も多い。赤白ロゼともに作られているが、辛口ロゼが多く生産されている。日本ではなかなかお目にかかることのないレアなものが多いので、マルセイユではブイヤベースとともに白のカシを、エクサンプロヴァンスではパレットのロゼを、ニースでは海鮮料理と合わせて白のベレといったように、現地ではぜひ郷土料理とともに堪能したい。
▼もくじ
プロヴァンスの概略|プロヴァンスの主要ブドウ品種|プロヴァンスワインの性格|プロヴァンスA.O.C.ごとの特徴|プロヴァンスのヴィンテージ(収穫年)ごとの評価
|参考リンク|オススメ図書

基本編「プロヴァンス・アルプス・コートダジュール地域圏のワインについて」
基本編「ローヌ南部のAOCワイン」
番外編「ワインについて」
番外編「フランスワインについて」
ブログ「南仏ワインばか」
プロヴァンス(地中海沿岸)の概略
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フランスで最も古い歴史を持ち、辛口ロゼワインが有名。
フレッシュでフルーティーなピンクのワインは、陽光降り注ぐリゾート地によく合う。また豊富な品種から熟成タイプの赤ワインや非常に個性的な白ワインも数多く造られている。いずれも、この地ならではの太陽をふんだんに浴び、野趣あふれる香りが感じられ、ブイヤベースなどの地中海料理に欠かせない。 |
栽培面積/年間生産量
2.5万ha/11万kl(赤25% ロゼ70% 白5%) |
地理
ヴォークリューズ、ブシュ・デュ・ローヌ、バス・アルプ、ヴァール、アルプ・マリティム県。
アルルからニースまでの横350km、たて100km,に広がり、コート・ダジュール全域にほぼ重なる。

※地図はwinetourisminfrance.comより |
歴史
紀元前7〜6世紀に、ギリシア系フォカイア人によってフランスで初めてマルセイユにブドウがもたらされ、ローヌ河に沿ってローヌやブルゴーニュやボルドーに伝播していき、ローマ帝国とキリスト教の修道院がこの文化を引き継いだ。なお、アンフォラ壺などワイン容器が多数発掘されているのが示すように、地中海沿岸一体はワインの輸出港として栄えた。AOCワインとしては、以前はCôte
du Rhône地域委員会に属していたが、1989年からCorseとともに、独立した委員会に配属された。 |
気候
地中海性気候。夏はとても暑くて乾燥し、秋と春は穏やかで、冬でも日差しがあり氷点下を少し下回る程度と、ブドウ栽培に理想的な気候といえる。特に、海に近いブドウ畑は、ミストラルのようなアルプスの北風から程よく守られている。 |
土壌
変化に富んでいるが、全体的に乾燥し石が多い。土壌の大部分は、シリカ(二酸化珪素)もしくは粘土を含む石灰質で、バンドル(Bandol)とカシ(Cassis)では砂岩や泥灰岩も含まれる。 |
AOC
プロヴァンスのAOCは9つ。
ベレ |
Bellet |
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コート・ド・プロヴァンス |
Côtes de Provence |
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コトー・ヴァロワ・アン・プロヴァンス |
Coteaux Varois en Provence |
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バンドル |
Bandol |
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カシ |
Cassis |
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パレット |
Palette |
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コトー・ド・ピエールヴェール |
Coteaux de Pierrevert |
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コトー・デクサンプロヴァンス |
Coteaux d'Aix-en-Provence |
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レボー・ド・プロヴァンス |
Les Baux de Provence |
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南仏特有の、日本ではナジミの薄い土着品種が多い。
黒ブドウ
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特徴 |
グルナッシュ
Grenache |
乾燥した暖かい気候に向き、プロヴァンスの代表品種。アルコール分豊かで芳醇
色は淡いがアルコール分の強い、フルーティーなワイン。つまり申し分ないロゼや天然甘口ワインようの効率良い品種。通常シラーなどとブレンドする。特にフランス南部、スペイン、カリフォルニアで栽培。ただし、筋骨たくましいプリオラトの主体となるのもこれ。また、サウス・オーストラリア州の古木からできるワインが高く評価されている。 |
カリニャン
Carignan |
フランスでは減少している。古木から収穫量を押さえて作る必要がある。コルビエールのものが最良。他では無害だがさえないワインとなる。北アフリカ、スペイン、カリフォルニアで広く栽培。 |
サンソー
Cinsault |
ロゼワインに欠かせない。色彩鮮やかで口当たりがよい
フランス南部で広く栽培している。大量生産型のワインを生む品種。南アフリカではピノ・ノワールとの交配によって、ピノ・タージュが生み出された。ワインは色が薄いが、潜在的に質の高いもの。 |
ムールヴェードル
Mourvèdre |
濃い色調でタンニン豊か。スパイシーなブーケ。
タンニンが多くアロマに富む、色の濃い優良な品種。主にブレンド用に、プロヴァンス地方(ただしバンドルでは単独で用いる)やミディ地域で用いる。例えば、サウスオーストラリア州やカリフォルニアでも新たな関心を呼んでいる。
<バンドール> |
シラー
Syrah |
涼しい風の吹くローヌ渓谷の代表品種。骨太でスパイシー。偉大な赤ワインに不可欠
ローヌ河流域の卓抜した赤ワイン用品種。胡椒の香りのする、タンニンの多い紫がかった深紅色のワインを生む。素晴らしい熟成能力をもつ。オーストラリアでは「シラーズ」と呼び、極めて重要。カリフォルニアやワシントン州、南アフリカ、チリ他ではいずれかの名で呼ぶ。 |
ティブラン
Tibouren |
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カベルネ・ソーヴィニョン
Cabernet Sauvignon |
卓抜した特性をもつ品種。ボルドー地方の偉大なワインに欠かせない。スパイシーで、香草の香り、カシスを思わせる特有のアロマをもち、タンニンが多い。ボルドー地方メドック区域の最上位の品種。また、カリフォルニア、南アメリカ、東ヨーロッパの最良の赤ワインのほとんどを生む。オーストラリアではシラーズのライバル。これから作るワインは必ずと言って良いほど熟成させる必要があり、普通はメルロやカベルネ・フラン、シラー、テンプラニーリョ、サンジョベーゼなどとブレンドした方が良くなる。アロマにとむロゼもできる。 |
白ブドウ
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特徴 |
クレレット
Clairette |
地中海地方の最古種。酸味が強く、ハチミツと花の洗練された芳香。
酸味の少ない品種。フランス南部で多くのワインのブレンドに用いられる。
ミディの伝統ある白ブドウ品種。これから造る酸味の少ないワインは、ヴェルモットのベースとして使われてきた。<パレット> |
グルナッシュ・ブラン
Grenache blanc |
アニス、ウイキョウ、ミントのさわやかなアロマ。繊細で活き活きした風味 |
セミヨン
Sémillon |
ボルドー地方の貴腐ワイン用品種
ソーテルヌに甘美さを与える品種。また、グラーヴや、その他のボルドーの辛口白ワイン用として、ますます重要性が増している。完熟していないと草の匂いがするが、潜在的に大きな熟成能力を備えた、やわらかい辛口ワインとなりうる。オーストラリアのものはとびきり上質。ハンター・ヴァレーの年代物のセミヨンの中には、軽いが卓抜したものがある。ニュージーランドでも有望。 |
ルーサンヌ
Roussane |
繊細なアロマ。ふくよかなワイン
ローヌ河流域の卓抜した上品な品種。カリフォルニアとオーストラリアで目下急浮上中。うまく熟成しうる。 |
ユニ・ブラン
Ugni Blanc |
イタリアではトレッビアーノと呼ばれ、中部(オルヴィエート、ソアーヴェなど)では重要な、しかし二流どころの品種。またコニャック地方ではサンテミリヨンの名で栽培。ほとんどの場合、痩せた平板なワインになり、ブレンドが必要。 |
ロール
Rolle
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華やかな香り。(イタリアのヴェルマンティーノVermentinoと同一品種)
<ベレ> |
ブールブラン
Bourboulenc |
芳香が強く、さわやかで活き活きしたワイン。若飲みタイプ
これとロール種は、フランスのミディ地域で最良のワインの幾つかを生む。 |
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赤
全体的に、強い日差しが赤ワインに力強さと骨太さを与えている。バンドル(Bandol)やレ・ボー(les
Baux)やコトー・デクス(Coteaux
d'Aix-en-Provence)は、強いアロマとバランスを兼ね備えて良質。料理でいえば、プロヴァンス風のウサギのソテーやシステロンの子羊のもも肉の香草焼きなどの郷土料理との相性がよい。
飲む適温:15〜17度
白
カシ(Cassis)は切れよくバランスが取れていて、ブイヤベースや魚のスープとの相性がよい。べレ(Bellet)は、フローラルなアロマが広がり、特有な性格を持っている。
飲む適温:9〜12度
ロゼ
コート・ド・プロヴァンス(Cotes
de Provence)が多くのロゼを生産。なかでもパレット(Palette)が特に有名。みずみずしく、活発で風味豊かで、この地方の暑い夏や海辺のリゾートにぴったりである。イワシのエスカベシュやプロヴァンス風エスカルゴなどとの相性がよい。
飲む適温:7〜10度
・ マール marc
ブドウの搾りかすから造った、強い香りをもったブランデー。イタリアのグラッパも同様のもの。
主に食後酒として飲まれる。ショットグラスくらいの量でノドから火が出るほどに強烈だが、消化促進や口の中がさっぱりし酔いにとどめを刺す。
なお、フランスにおいて、蒸留酒全般をさして「オ・ド・ヴィeau de vie(命の水)」という。ブドウからつくるブランデーのほか、サクランボや洋梨からつくるもの、カルヴァドス(リンゴ)、ウィスキー、ジン、ウォッカ(穀物)、ラム(サトウキビ)、テキーラ(リュウゼツラン)、焼酎(イモ)などがこれに当たる。そして、この蒸留酒にハーブや香料などを加えたものがリキュール(混成酒)と呼ばれる。
蒸留酒は水とアルコールの沸点の差を利用して、アルコール濃度を高めたものだ(ワインなど醸造酒を火にかけて、先に気化するアルコールだけを取り出して再び液化させる)。中世錬金術により誕生し、14世紀の百年戦争時にペストの予防薬として普及した。酒の中の火の精が身体に活気と精気をもたらす、不死の霊薬・魔法の水と考えられたのだ。「命の水」あるいは「スピリッツ(魂)」とも言われる所以だ。ローヌ南部では、マール・ド・シャトーヌフ・デュ・パプなどがある。いいワインを造るにはいいブドウから。その搾りかすも無駄にしないって訳だ。
写真は「プロヴァンス物語・マルセルの夏」の原作者マルセル・パニョルの故郷「le
Garlaban ル・ギャルラバン」産(AOC認定)。無色透明、アルコール度数47℃。箱付きで5,980円(目白・田中屋)。
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95',96,97,98',99,00,01,02,03
【辛口でフルーティーなロゼ】
1977年AOC。イエール〜サントロペ〜フレジュス間。新たな取り組みと投資により、大革新がなった。ロゼと白は早飲み。なお、コート・ドゥ・プロヴァンス・サント・ヴィクトワール-Ste
Victoireとコート・ドゥ・プロヴァンス・フレジュス-Frejusはロゼと赤のみ。栽培面積18,000ha(地方栽培面積の80%)
先頭を行くのは、カステル・ルビーヌ、コマンドリ.ドゥ・ペラソル。そしてラ・ベルナルド、ドゥ・ラ・クルタド、オット、デュ・プラーヌ、ラビエガ、リショームの各ドメーヌ、シャトー・サント・ロズリーヌ。
ブドウ品種:
クレレット、サンソー、グルナッシュ他
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【ブイヤベースと好相性】
1936年AOC。若飲み。マルセイユ〜ラ・シオタ間の海辺の村。辛口で酸味の少ない白を産する。プロヴァンスの白と言ったらこれ。なお、ディジョン産の黒フグリから造るリキュール「カシス」とはつづりは一緒だが全くの別物。栽培面積160ha
ドメーヌ・ドゥ・ラ・フェルム・ブランシュ、クロ・サントマグドレーヌ、クロ・ダルビッツィなど。
ブドウ品種:
マルサンヌ、バルバルーBarbaroux、サンソー、クレレット
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<Clos Ste Magdeleine> |
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85',86,88,89,90,91,92,93,94,95',98',99',96,97,00,01,02,03
【プロヴァンス最高といわれる、しっかりした赤】
トゥーロン〜ラ・シオタ間の海岸沿いの小さな区域。プロヴァンスで最良のワインを産する。主にムールヴェードルからつくる赤は、タンニンが多く力強くて素晴らしい。栽培面積600ha
特にドメーヌ・ドゥ・ピバルノン、シャトー・プラド−、マス・ドゥ・ラ・ルヴィエール、ドメーヌ・タンピエのもの。
ブドウ品種:
ブールブラン、ムールヴェードル、グルナッシュ、サンソー
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【今はやりのニースの地酒】
標準を遥かに越えた、香り高い白(ロール種を使う)。値の張る品。地元ニースでも置いているレストランは少なく、ましてや日本ではなかなかお目にかかれない。栽培面積38ha
シャトー・ドゥ・ベレ、ドメーヌ・ドゥ・ラ・スルスはいたって真面目な産出業者。
ブドウ品種:
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パレット Palette
★★ |
【最高のロゼ】
1948年AOC。エクサンプロヴァンス近郊のごく小規模なAOC。シャトー・シモヌChateau-Simoneのために創設されたAOCで、コクのある赤、がっしりしたロゼ、香り高い白を産する。栽培面積20ha
ブドウ品種:
クレレット、ムールヴェードル、グルナッシュ
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コトー・ヴァロワ・アン・プロヴァンス Coteaux
Varois en Provence
★★ |
98',99',00',01,02,03
【カリフォルニア・スタイルの赤】
1993年AOC昇格。ブリニョール〜サンマキシマン間(83県)の新来の広大なAOC地帯。栽培面積1,500ha
ドメーヌ・サン・ジャン・ドゥ・ヴィルクローズというカリフォルニアスタイルのブドウ園が良質な赤を産する。他には、ルタス、ラ・カリスの両シャトー、デ・ザリス、デュ・デファンの両ドメーヌ。
ブドウ品種:
ロール、グルナッシュ、シラー、ムールヴェードル他
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【フルーティーな味】
1985年AOC。エクス〜アルピーユ山脈(13県)。目下活況を呈しているAOC。栽培面積2,906ha ・ロゼ(生産の52%)、赤(42%)
上位の地所には、ルヴレット、カリサーヌの両シャトー、ドメーヌ・デ・ベアト(シャプティエが所有)、ドメーヌ・ドゥ・シャトー・バなど。
ブドウ品種:
ブールブラン、サンソー、グルナッシュ、ムールヴェードル、シラー他
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95',97',98,99,00,01,03
【アルピーユ山脈周辺】
1995年AOC。以前はコトー・デクサンプロヴァンスの一部だったが、現在は独自のAOCを認められている(ただし、白は含まれない)。赤(生産の67%)、白(30%)
ドメーヌ・ドゥ・トレヴァロンが最良だが(カベルネとシラーを使う)、これはVDPにすぎない(グルナッシュを栽培していないので、AOC規定に反するため)。他には、マ・ドゥ・グルゴニエ、シャトー・ロマナン、マス・サント・ベルト、ドメーヌ・オヴェットのもの。
ブドウ品種:
グルナッシュ、シラー、ムールヴェードル他
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【内陸プロヴァンスのAOC】
1998年AOC。赤、ロゼ、白、発泡種。アルプ・ド・オート・プロヴァンス県のマノスク、フォルカルキエ周辺の共同醸造所で産する、早く飲むのに適した赤とロゼ、爽やかな白(ヴィオニエ種を使った良質のものもある)。栽培面積265ha
ラ・ブラックとドゥ・レギュスの両ドメーヌとシャトー・ドゥ・ルセではよりコクのある赤を産する。
ブドウ品種:
クレレット、カリニャン、サンソー、グルナッシュ他
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ブシュ・デュ・ローヌ Bouches
du Rhône ★ |
【マルセイユ周辺の地酒】
赤、ロゼ、白。マルセイユ周辺で産するヴァン・ドゥ・ペイ。フランス南部の品種とカベルネやシラー、メルロを使う。温かみの伝わる赤ワイン群。
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フランス南部(プロヴァンス、ラングドックなど)のヴィンテージ(収穫年)毎の評価
※ヒュー・ジョンソン著「ポケット・ワイン・ブック[第6版]」による |
2003 |
2002年と際立って対照的に酷暑の年。
多くは収穫の減少が著しいが、同時に腕の立つワイン醸造家によって見事なワインが生まれた。 |
2002 |
9月初めの豪雨が災いし、たやすい年ではなかった。
AOCにより、また栽培業者によってばらつきが大きい。 |
2001 |
量的には平均以下。質は概ね優良。
夏の暑さのおかげで、よく熟して凝縮されたワインができた |
2000 |
夏は全域で暖かく、ルシヨンとプロヴァンスではよく熟したフルーティーなワイン、
ラングドックでは健全なブドウからバランスの取れたワインができた。 |
1999 |
悪天候のため、ルシヨンでは危うく収穫が台なしになりかけた。
ラングドックもばらつきがあったが、プロヴァンスは上出来。 |
1998 |
ルシヨンでは日照りのため小型の収穫になったが、ワインは凝縮されている。
ラングドックに関しては、素晴らしい収穫年。よく熟したフルーティーなワインは、卓抜した潜在能力を持つ。
プロヴァンスのフルーティーなワインは、うまくバランスが取れている。 |
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オススメ図書
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プロヴァンス・アルプス・コートダジュール地域圏には、ローヌ川沿岸の「コート・デュ・ローヌ地方南部Côtes
du Rhône」と、地中海沿岸の「プロヴァンス地方Provence」の2つの産地がまたがっており、以下の図書では、ワイン的見地からプロヴァンスを知ることができる。
ポケット・ワイン・ブック 第6版
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ヒュー・ジョンソン著 |
早川書房 |
アカデミー・デュ・ヴァン推薦の必携本。
世界中のあらゆるワインがアルファベット順に解説されているワインの辞書。飲み頃ヴィンテージも産地別にあって重宝する。ポケットサイズだから持ち運びに便利。国内海外を問わず、飲む時、買う時いつでもお供に。2005年出版の最新版。英語版もあり |
図説
フランスワイン紀行―知られざる名産地を訪ねて |
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宇田川 悟 (著), 山本 博 |
河出書房新社 ふくろうの本 |
ワイン王国フランスの産地を巡る、いわばワイン的見地の観光情報。二大産地のボルドーとブルゴーニュ以外のマイナーエリアにも平等にページを割いて、多彩なAOCと見所や歴史を説明している。地方に行けばその土地のワインが郷土料理にも気候にも合うから一番美味しいわけで、ワインファンがフランス旅行を計画する時に参考になる。
プロヴァンスにまたがる2つの産地、コート・デュ・ローヌは「南北の対照的な風土が生み出す多彩な味と香り」、プロヴァンスは「フランスワインの起源となった歴史ある栽培地」として紹介されている。 |
ワインが語るフランスの歴史 |
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山本 博 |
白水社 |
ワインは自然と人知の合作物。ワイン王国フランスの歴史には、新世界にはないロマンがつまっている。本書はフランスの歴史にからめて、フランスの12の産地を巡り、主要ワインについて36章を割いて解説。石器時代から現代まで続く歴史を知れば、フランスワインがよりいっそう美味しく楽しく味わえる。
ワイン産地としてのプロヴァンスについては、「ギリシア植民市の誕生 ワイン文化発祥の地マルセイユ」、「聖ジャックの道、銀河 巡礼の道のワイン」、「アヴィニョンの幽囚 教皇の赤ワイン」に加え、「エニシダの復讐 ロワールの城とワイン」でロゼダンジューとタヴェルの比較、「フランスを襲ったブドウのペスト フィロキセラ以前と以降のワイン」でフィロキセラ発見の地としてアルルが紹介されており、ワインとの深いかかわりがわかり、プロヴァンスの旅にもう一つの楽しみが加わる。 |
今日はこのワイン!24のブドウ品種を愉しむ |
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野田 幹子 |
生活新書 |
ワインは原料となるブドウ品種によって個性が違い、それが楽しいのだが、初心者的にはハードル高く感じてしまう。そこで本書では、カベルネ・ソーヴィニョンやシャルドネなど代表的なブドウ24種を、産地ごとに色・香り・味わい・相性料理などの特徴を説明。これさえ押さえておけば十分にワインが楽しめるようになっている。
なお、プロヴァンスおよびコートダジュールは、ワインの産地ではローヌ南部とプロヴァンスに相当するのだが、その代表品種として、赤はシラー(オーストラリアでも成功)とグルナッシュ(毎日気軽に楽しみたい)、白はミュスカ(心華やぐ愛らしさ)とマルサンヌ(北ローヌで真価を発揮)と紹介されている。 |
知っておきたい「酒」の世界史
|
 |
宮崎 正勝 (著) |
角川ソフィア文庫 |
酒の歴史は人間の歴史。ウォッカ、テキーラ、日本の焼酎など、世界中の全ての蒸留酒は、9世紀にイスラームで錬金術のために発明された「アランビク」からはじまった。メソポタミアからヨーロッパにもたらされた「液体のパン」ビール、ペストの恐怖が育てたウィスキーとブランデー、飲料水代わりだった大航海時代のワイン、冬の寒さが産んだ奇跡の酒シャンパンなど、世界をめぐる多様なお酒の意外な来歴と文化がわかる、おもしろ世界史。バーでのウンチクが増えます。幻の酒アブサンと南仏の酒パスティスの関係も。 |
もっとワインが好きになる―必携Wine好きノート
|
 |
花崎 一夫 (著) |
小学館 |
サントリースクール主任講師による、ワインに関する実践知識が満載。
ぶどう品種・栽培条件、製造法、飲み方のポイント、世界の産地(フランス、ドイツ、イタリア、スペイン、アメリカ、オーストラリア、チリなど)と特徴(地域、地形、土壌、気候、ぶどう品種、歴史、主な銘柄・特色)、格付け・ラベルの読み方、おすすめワイン100選など、
この一冊でワインが10倍美味しく楽しめる。 |
太陽の香り―南フランス・ワイン紀行 |
|
渋谷 康弘 |
ベストセラーズ |
現役ソムリエが、プロヴァンスを食べ&飲み歩き。
ワイン産地を念頭においているため、サブタイトルが南フランスとなっているが、まさしく丸々プロヴァンス。
前半はアヴィニョンを拠点に、後半はエクスを拠点に、ブドウ畑・ワイナリーやレストランや食材の産地を巡る。さすがソムリエだけあって、レストランのシェフと知り合いで、観光では知り得ない現地の楽しみ方が詰っている。また、ワインの造り手やレストランのシェフとの会話の中で、プロヴァンスの人々の食に対する哲学が分かって面白い。
太陽の恵み。これこそがプロヴァンスの「テロワール」なんだろう。プロヴァンスの滋味を知りたい人は必読。 |
ヨーロッパものしり紀行 くらしとグルメ編
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紅山 雪夫 |
新潮社 |
元旅行代理店のベテラン添乗員が、ヨーロッパのあれこれウンチクを案内する「読む観光本」。より踏み込んだ知識をもてば、他人任せのツアーより、断然ヨーロッパ旅行がイキイキしてくる。
シリーズ第二弾。チーズやワインやレストランなどの食事から城塞や家やローマ遺跡の建築まで、ヨーロッパ旅行で出会う現地の生活文化を幅広く紹介。
プロヴァンス関連としては、ニームのローマ水道橋の建築の秘密、カマルグに住むジプシー(ロマ人)の知られざる生活、香水の都グラースの花精油の製造法などがわかりやすい文章で説明されている。 |

まだまだオススメ本あります→プロヴァンスに関する本
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