ワインについて
2005年4月から、青山の「アカデミー・デュ・ヴァン」の初心者向けコースに通い始めた。そもそもの理由は、このサイト作りの中で、プロヴァンス・アルプス・コートダジュール地域圏にまたがる2つのワインの産地(ローヌ渓谷南部とプロヴァンス地中海沿岸)を調べているときに、ワインの知識がないことにはきちんと理解できないと痛感したからだ。
ワインは芸術作品とも言う。なんとなくワインを飲むより、ワインの素養があったほうが何倍も楽しめると思うし、美味しいと思ったワインに再び出会えないもどかしさも解消できるだろう。アカデミーでも、沢山の場数を踏んで、一度飲んだワインを忘れないように、銘柄や産地や収穫年はもちろん、ブドウ品種、外観(色)、香り、味わい・余韻といった特徴をメモすることを勧めている。
▼もくじ
お酒の種類|ワインの分類|ブドウの栽培条件|ブドウの品種|ワインの歴史|ワイングラス|ワインを楽しむ道具|ワインの保存条件|ワインのテイスティング|オススメ図書
番外編「フランスワインについて」
基本編「プロヴァンス・アルプス・コートダジュール地域圏のワインについて」
基本編「ローヌ南部のAOCワイン」
基本編「プロヴァンスのAOCワイン」
ブログ「南仏ワインばか」
お酒は、酒税法上、アルコール度数1%以上の飲み物とされ、以下の3種類に分かれ、造り方だけでなく、税率も異なる。
醸造酒 |
蒸留酒 |
混成酒 |
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ワイン(ぶどう)
ビール(麦)
日本酒(米) |
ブランデー(←ワイン)
ウィスキー(←ビール)
焼酎(←日本酒) |
カンパリなどのリキュール
サングリア、梅酒など |
ブドウなど果物や穀物の糖分を、酵母菌と言う微生物が食べると、アルコールと炭酸ガスを生成する代謝活動(発酵)を利用して作ったもの |
醸造酒を過熱してアルコール分だけ取り出したもの。沸点の差(水100℃、アルコール78℃)を利用し、先に気化するアルコールだけを集めて冷やすと、よりアルコール度の高いものとなる |
醸造酒や蒸留酒に薬草や果実を漬け込んだもの(風味付けワイン) |
つまり、ワインはブドウを原料とする醸造酒と言うことになる。
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ワインとは、ブドウの糖分を酵母菌が食べて(「アルコール発酵」)作られる。例えば、100gのブドウから50gのアルコールと50gの炭酸ガスが作られ、炭酸ガスを抜いたものがいわゆるワインとなり、炭酸ガスを残したものがシャンパンなどのスパークリングワインとなる。
なお、糖分の多いブドウはアルコール度数の高いワインとなり、糖分の少ないブドウはアルコール度数の低いワインとなる(糖分の高低でワインの甘さが変わるわけではない)。ワインを分類するには、以下の要素がある。
色 |
白・赤・ロゼほか |
味 |
辛口/甘口 |
産地 |
国/地方/テーブルワイン |
ブドウ品種 |
カベルネ・ソーヴィニョン/ピノ・ノワール/シャルドネほか |
製造法 |
1)スティル・ワイン:泡のでないワイン。いわゆる普通のワイン
2)スパークリング・ワイン:泡の出るワイン。シャンパンなど
3)アロマタイズド・ワインもしくはフレーヴァード・ワイン:混成酒(風味付けワイン)
4)フォーティファイド・ワイン:ワイン+ブランデーなどの酒精強化酒 |
価格 |
超高級から日常的カジュアルなものまでピンキリ |
これらの組み合わせで好みを伝えることができる。
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ワインはブドウだけで造られる。ワインはブドウ果汁100%を発酵させて造る。たとえば日本酒は米と水で造られるが、ワインは水を足さない。だから、原料であるブドウの生育条件で、ワインの味わいや香りの特徴が大きく左右されることになる。
気候 |
霜に弱く、実が熟すには暑さが必要なため、温暖な地域が向いている |
日照 |
太陽がワインの色を作る。一般に北は白ブドウ、南は黒ブドウが栽培される |
温度 |
実が熟すには年間平均気温が高いこと |
土壌 |
水はけに優れた土地 |
畑 |
日光を受けやすい南や南東の丘や小山の斜面 |
これらの様々な条件をひっくるめて、ワインの世界では「テロワール
terroire」と呼ぶ。
ワイン用のブドウは食用のブドウとは違うものを使う。ワイン用ブドウは皮が厚く、果肉が少なく果汁が詰まっている。
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ワインはブドウの品種で大概が決まる(もちろん造り方も大切だが)。そして、産地によって品種も変わる。だから、ブドウ品種の特徴を知っていれば、ワインの大まかな様子がわかる。例えばワインの色はブドウの果皮の色に由来する。赤ワインとロゼは黒ブドウから、白ワインは白ブドウから造られる。
「今日はこのワイン!24のブドウ品種を愉しむ 」による24品種。
<良いブドウを育てる3つの絶対条件>
1)収穫量を抑える:ブドウの1粒あたりのエキスが濃くなるため、量より質、コストダウンが図れる
2)密植して競争させる:根が広がらずに深く伸びて、地中の成分をくみ上げる
3)樹齢:老木ほど収穫量は少なくなるが、品質が上がる
<なぜ赤ワインは渋くて、白は渋くないのか。作り方の違い>
白ワインは白ブドウの果皮を除いて果汁を発酵させる。赤ワインは黒ブドウを丸ごと果皮と果汁を使う。だから皮から出る色と皮と種の渋み(タンニン)が加わる。ロゼワインは赤と同じように黒ブドウを丸ごと使い、色づいたところで果皮を取り除く。赤と白を混ぜるわけではない。貴腐ワインは水分が蒸発して糖分が濃縮された貴腐ブドウを使うため、極甘口になる。
<品種の見分け方>
・赤で軽めで薄い色
PN、ガメ、CF
タル香があったらPN→CF、ガメではありえない
CF:青臭い(ピーマン)…シノンの青臭さに、青臭いアスパラをあわせる
※テストで迷ったらPN
・CSとメルロの差
色で見分ける:メルロの方が早くオレンジ色→紫が強いとCS
CS:特徴的な香り…西洋杉(木でできたタンス)、腐葉土(畑や森の土の香り)
メルロ:ひなびたフルーツ(ドライフルーツ)、紅茶、生肉のような香り
※テストで迷ったらCS
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人間が偶然にも、自然の賜物・ワインを口にしたことから、ワインの歴史が始まったとされる。ブドウは西アジアを起源とし、パレスチナから地中海諸国に広まり、ローマ帝国の拡大に伴い、現在の欧州の生産地にほぼ等しい形に拡大した。
ワインおよびブドウ栽培のフランス最初の上陸地はマルセイユ。BC6世紀に同地を殖民都市化したギリシア系フォカイア人がもたらしたとされ、地中海からは海上貿易用のワイン用壺アンフォラが多数引き上げられている。さらに紀元前1世紀ごろ、ローマ帝国のガリア征服に伴ってローヌ河を遡上し、やがて二大産地ブルゴーニュやボルドーに広がり、そこで造られたワインは消費地ローマに輸出された。その後、中世においては、カトリックの拡大により修道院がワイン造りの中心的役割を演じ、10世紀にボルドーがイギリス領になって輸出が盛んになった。
BC2500年頃 |
バビロニアの古代民族シュメール人による、ワインに関する最古の文献「ギルガメッシュ叙事詩」(洪水に備えて船を造らせた際、船大工たちに赤や白のワインをふるまった) |
BC2000年頃 |
エジプトでワイン造りの様子が壁画に描かれる |
BC1700年頃 |
酒類に関する初の法律、バビロン王朝の「ハンムラビ法典」 |
BC1500年頃 |
クレタ島などエーゲ海地方にワイン生産が広まる |
BC800年頃 |
南イタリアに殖民都市が拓かれ、イタリアにワイン生産が広まる |
BC100年頃 |
ローマ帝国の拡大に伴い、フランスやドイツなどの欧州諸国にワイン生産が広まる |
4〜5世紀 |
民族大移動に伴い、ワインに興味のないゲルマン民族の出現で、ドイツやフランスのワイン生産が停滞 |
8〜9世紀 |
キリスト教勢力の拡大とともに、フランスやドイツでワイン生産が再開。以降、修道院が開墾や技術革新を牽引 |
10世紀 |
ボルドーがイギリス領となり、ワインの輸出が盛んになる |
15〜18世紀 |
大航海時代に伴い、新世界(南米・北米大陸)などでワイン生産が広まる |
17末〜18世紀 |
産業革命に伴い、オランダからもたらされたガラス瓶とコルク栓が普及し保存がよくなる(以前は土器や樽を使用) |
19世紀 |
フィロキセラ(ブドウの根を食い荒らす害虫)被害が欧州に広まり、ヨーロッパのブドウが壊滅的被害(耐性のあるアメリカ種に接木して対処した) |
1855年 |
パリ万博に際し、ボルドーでメドックワインの格付けが行われる |
第一次大戦後 |
ワインの生産が飛躍的に増加 |
1935年 |
AOCワイン条例制定により、銘醸ワインが統制される。さらにVDQSワイン、VDPヴァン・ド・ペイ、ヴァン・ド・ターブルが制定され、ワイン造りが多様で豊富になる |
20世紀 |
米国など新興国の台頭 |
ワインの普及にはキリスト教が切っても切れない役割を果たした。「キリストの血」とされるワインは、ミサなどの儀式に欠かせないものだったからだ。例えば中世では修道院がブドウ畑を開墾しワイン造りに励んだことや、14世紀にはアヴィニョンに教皇庁が移されて後にAOC第一号となる銘酒「シャトーヌフ・デュ・パープ」が確立されたことや、大航海時代の宣教師たちによってヨーロッパ以外にもワインが広まったことなど、ブドウ栽培とワイン造りはキリスト教の拠点を中心に行われてきた。その点で、聖書と言う世界一かつ永久的なベストセラーに宣伝文句が載っているワインは、世界で最も成功したマーケティング商品とも言えるのではなかろうか。
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ワインの美味しさを引き出す上で、最も重要になるのはグラス。同じワインでも、グラスによって味や香りが全く別物になってしまうほど。レストランでもワインによってグラスを代えられた経験があるだろう。試飲に使われるISO国際規格のワイングラスは、同一条件で試飲するために形状が決められているから、自宅用のワイングラス選びの条件として参考にできる。
無色透明 |
ワインそのものの色を鑑賞するため、装飾や彫りがないものの方が好ましい |
脚がある |
グラスを持ったときに、体温でワインの温度を上げないようにするため、脚(ステム)をもつ |
チューリップ型 |
胴がふくらみ、口がすぼむ。ワインの香りをグラス内に滞留させておき、ワインを飲むときに香りが飛び出してくるようにするため |
薄くて強い |
飲み口の舌触りを大事にするため。クリスタルグラス製で鉛含有率が9%以上であれば強度もあって割れにくい |
また、ワインのタイプに合せてグラスの形状に違いがあり、トコトンこだわることもできる。一般に赤ワイン用は大きく、白ワイン用は小さいとされ、発泡ワインはフルート型がいいとされる。
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赤、白、ロゼ万能型。
口がすぼまり、胴にふくらみがあり、香りが逃げない。家庭用にピッタリ |
ボルドー赤用。
チューリップ型の発展形。徐々に香りが立って逃がさない。長期熟成の赤に最適 |
ブルゴーニュ赤用。
空気に触れる表面積が広く、豊かな香りと味がすばやく引き出せる |
発泡酒用。
長時間泡持ちがいい(クープ型は泡も香りもすぐに飛んでしまうからパーティー向き) |
ちなみに、赤ワインは大きなグラスで飲んだ方が美味しく感じる。それは、複雑な香りの層がいっぺんにあふれてくるから。また、「タンニン(渋み)」は温度が上がると円やかになるため、赤ワインは温度が上がってもかまわない。一方、白ワインは、温度が一気に上がって香りが飛んでしまわないように、小さいグラスで飲むといい。
RIEDEL社
ワイングラスの最高峰「リーデル」。1756年創業の老舗ガラスメーカー。ボヘミアングラスから出発し、現在はオーストリアに本社を構える
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ワインは空気に触れると酸化して劣化する(つまり香りや味が変わる)性格があるため、飲まない時の保管には気を遣いたい。熟成が必要なワインは、数年から数十年間わざと寝かせておくこともある。日本の家庭では、ワインセラー(ワイン専用の冷蔵庫)がで保存するのが好ましい。
温度 |
ワインの酸化防止のため、温度変化の少ないところ(10〜15℃)。なお、4℃以下だと氷結してしまう |
光 |
紫外線による熱劣化(香りの飛び)を防ぐため、直射日光のないところ |
湿気 |
コルクの乾燥防止のため、程よく湿っているところ。乾燥すると瓶内のワインが酸化して劣化してしまう |
臭い |
コルクを通して臭いが移らないように、臭いのないところ |
振動 |
ワインの酸化防止や渋みの塊(オリ)を瓶内に回さないようにするため、振動のないところ |
寝かせる |
コルクの乾燥防止のため、寝かせておくことで、瓶内のワインがコルクに触れて適度に湿らせる |
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気に入ったワインの特徴(ブドウ品種や産地や値段帯など)を知っておけば、似た味わいのワインに再びめぐり逢うことが出来る。
けれども、 飲んでいるうちにアルコールも手伝って、そうした記憶はパーッと飛んでしまうものだ(汗)そこで、テイスティングして、その特徴をメモに取るなどしておくのがいい。 以下はソムリエ試験用テイスティング・コメントのコツ。
外観 |
濃淡:やや淡い→中くらい→やや濃い
色調:白…緑がかった黄色→黄色→黄金色
赤…紫がかった赤(ルビー)→赤色(ガーネット)→オレンジがかった赤(テュイレ)
清澄度:澄んだ、輝きのある、健全な…決まり文句
粘性:やや控えめ→中くらい→やや強め ※グラスが分厚い場合、品種から推測する
発泡性:スティルワイン、微発泡、発泡 ※ミュスカデ、アルザス・リースリングは微発泡 |
香り |
強弱:やや強い→中くらい→やや穏やか
複雑性:やや複雑→中くらい→ややシンプル
特徴:
1.フルーツとその状態 必ず フレッシュ、ジャムのよう
2.花 ある場合は選ぶ 赤い花、白い花
3.スパイス(エピセ)赤の時は必ず無条件で
4.ハーブ(エルブ)白の時は必ず
5.その他 熟成香、タル香(トースト)
6.全体の印象を一言…さわやか、ゆたか、力強い、若々しいアロマ、熟成のブーケ
※ワインを勧める立場から大袈裟にほめるように、悪口は決して書かない |
味わい |
アタック:やや強い→中くらい→やや穏やか 力強い、柔らかい、なめらか
酸味:やや強い→中くらい→やや穏やか イキイキした、シャープな、やわらかい
果実味:やや豊か→中くらい→やや穏やか 濃厚な、フルーティーな、甘みのある
渋み:やや強い→中くらい→やや穏やか やや固い、心地よい、なめらか
甘み:極甘口→甘口→中甘口→辛口→極辛口 シャブリ、ミュスカデは極辛口
ボディ:フル→ややフル→ミディアム→ややライト→ライト
バランス:とても良い→よい
余韻:長い(10秒、高級)→やや長い(8)→普通(6)→やや短い(5、ミュスカデ)
その他:果実味中心のフレッシュなワイン、熟成を始めた力強いワイン、若々しく力強いワイン、まろやかに熟成したワイン、飲み頃に入っている、飲み頃よりやや手前 |
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プロヴァンス・アルプス・コートダジュール地域圏には、ローヌ川沿岸の「コート・デュ・ローヌ地方南部Côtes
du Rhône」と、地中海沿岸の「プロヴァンス地方Provence」の2つの産地がまたがっており、以下の図書では、ワイン的見地からプロヴァンスを知ることができる。
ポケット・ワイン・ブック 第6版
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ヒュー・ジョンソン著 |
早川書房 |
アカデミー・デュ・ヴァン推薦の必携本。
世界中のあらゆるワインがアルファベット順に解説されている、ワインの辞書。
ポケットサイズだから持ち運びに便利。国内海外を問わず、飲む時、買う時いつでもお供に。
2005年出版の最新版。英語版もあり |
図説
フランスワイン紀行―知られざる名産地を訪ねて |
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宇田川 悟 (著), 山本 博 |
河出書房新社 ふくろうの本 |
ワイン王国フランスの産地を巡る、いわばワイン的見地の観光情報。二大産地のボルドーとブルゴーニュ以外のマイナーエリアにも平等にページを割いて、多彩なAOCと見所や歴史を説明している。地方に行けばその土地のワインが郷土料理にも気候にも合うから一番美味しいわけで、ワインファンがフランス旅行を計画する時に参考になる。
プロヴァンスにまたがる2つの産地、コート・デュ・ローヌは「南北の対照的な風土が生み出す多彩な味と香り」、プロヴァンスは「フランスワインの起源となった歴史ある栽培地」として紹介されている。 |
ワインが語るフランスの歴史 |
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山本 博 |
白水社 |
ワインは自然と人知の合作物。ワイン王国フランスの歴史には、新世界にはないロマンがつまっている。本書はフランスの歴史にからめて、フランスの12の産地を巡り、主要ワインについて36章を割いて解説。石器時代から現代まで続く歴史を知れば、フランスワインがよりいっそう美味しく楽しく味わえる。
ワイン産地としてのプロヴァンスについては、「ギリシア植民市の誕生 ワイン文化発祥の地マルセイユ」、「聖ジャックの道、銀河 巡礼の道のワイン」、「アヴィニョンの幽囚 教皇の赤ワイン」に加え、「エニシダの復讐 ロワールの城とワイン」でロゼダンジューとタヴェルの比較、「フランスを襲ったブドウのペスト フィロキセラ以前と以降のワイン」でフィロキセラ発見の地としてアルルが紹介されており、ワインとの深いかかわりがわかり、プロヴァンスの旅にもう一つの楽しみが加わる。 |
今日はこのワイン!24のブドウ品種を愉しむ |
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野田 幹子 |
生活新書 |
ワインは原料となるブドウ品種によって個性が違い、それが楽しいのだが、初心者的にはハードル高く感じてしまう。そこで本書では、カベルネ・ソーヴィニョンやシャルドネなど代表的なブドウ24種を、産地ごとに色・香り・味わい・相性料理などの特徴を説明。これさえ押さえておけば十分にワインが楽しめるようになっている。
なお、プロヴァンスおよびコートダジュールは、ワインの産地ではローヌ南部とプロヴァンスに相当するのだが、その代表品種として、赤はシラー(オーストラリアでも成功)とグルナッシュ(毎日気軽に楽しみたい)、白はミュスカ(心華やぐ愛らしさ)とマルサンヌ(北ローヌで真価を発揮)と紹介されている。 |
知っておきたい「酒」の世界史
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宮崎 正勝 (著) |
角川ソフィア文庫 |
酒の歴史は人間の歴史。ウォッカ、テキーラ、日本の焼酎など、世界中の全ての蒸留酒は、9世紀にイスラームで錬金術のために発明された「アランビク」からはじまった。メソポタミアからヨーロッパにもたらされた「液体のパン」ビール、ペストの恐怖が育てたウィスキーとブランデー、飲料水代わりだった大航海時代のワイン、冬の寒さが産んだ奇跡の酒シャンパンなど、世界をめぐる多様なお酒の意外な来歴と文化がわかる、おもしろ世界史。バーでのウンチクが増えます。幻の酒アブサンと南仏の酒パスティスの関係も。 |
もっとワインが好きになる―必携Wine好きノート
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花崎 一夫 (著) |
小学館 |
サントリースクール主任講師による、ワインに関する実践知識が満載。
ぶどう品種・栽培条件、製造法、飲み方のポイント、世界の産地(フランス、ドイツ、イタリア、スペイン、アメリカ、オーストラリア、チリなど)と特徴(地域、地形、土壌、気候、ぶどう品種、歴史、主な銘柄・特色)、格付け・ラベルの読み方、おすすめワイン100選など、
この一冊でワインが10倍美味しく楽しめる。 |
太陽の香り―南フランス・ワイン紀行 |
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渋谷 康弘 |
ベストセラーズ |
現役ソムリエが、プロヴァンスを食べ&飲み歩き。
ワイン産地を念頭においているため、サブタイトルが南フランスとなっているが、まさしく丸々プロヴァンス。
前半はアヴィニョンを拠点に、後半はエクスを拠点に、ブドウ畑・ワイナリーやレストランや食材の産地を巡る。さすがソムリエだけあって、レストランのシェフと知り合いで、観光では知り得ない現地の楽しみ方が詰っている。また、ワインの造り手やレストランのシェフとの会話の中で、プロヴァンスの人々の食に対する哲学が分かって面白い。
太陽の恵み。これこそがプロヴァンスの「テロワール」なんだろう。プロヴァンスの滋味を知りたい人は必読。 |
ヨーロッパものしり紀行 くらしとグルメ編
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紅山 雪夫 |
新潮社 |
元旅行代理店のベテラン添乗員が、ヨーロッパのあれこれウンチクを案内する「読む観光本」。より踏み込んだ知識をもてば、他人任せのツアーより、断然ヨーロッパ旅行がイキイキしてくる。
シリーズ第二弾。
チーズやワインやレストランなどの食事から城塞や家やローマ遺跡の建築まで、ヨーロッパ旅行で出会う現地の生活文化を幅広く紹介。
プロヴァンス関連としては、ニームのローマ水道橋の建築の秘密、カマルグに住むジプシー(ロマ人)の知られざる生活、香水の都グラースの花精油の製造法などがわかりやすい文章で説明されている。 |
まだまだオススメ本あります→プロヴァンスに関する本
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